夕焼けと机と教室と。むすんでひらいて。1

　「夕焼け」の本編5の番外、「むすんでひらいて」です。
　コチラの話は、最初健全ですが……途中でなにやらゴソゴソしているので、編集する予定です。
　内容に関係のない箇所なので、まるまる端折る方向です（笑）。

　ふと、思いついて現在の執筆は「ピアノ」に向かっています。
　本当は「龍」の話を書いてから……と思ったのですが(^^ゞ。
　思いついたので、書いてます。
　連載になるかどうかは、ちと微妙な長さです。いや、内容としては長いタイプの話になるんですが……連載モノかと言うと、読みきりの類だと思うという程度のモノです。
　「ピアノ」の二人に関してはもう安定の域に達しているため、考えても連載ネタは浮かびません。嗚呼、不甲斐ない（涙）。
　看板なのに、看板なのに。うおーん。
　イメージ曲は決まってます。モーツァルト繋がりです。
　いや、たまたまデスヨ？

　まだまだ執筆中なので、どれくらいの長さになるかは未定です。
　なつき視点の本編が二話程度+貴水視点のおまけが一話くらいかと思います。
　「龍」の番外のほうも、息抜きに合間合間に手を出そうと思っています。しかし、「50万HIT」に達するまで、まだ時間もあるしコレで決定ではありません。
　引き続き、どーしよかなーと悩んでいきます。

　以下、「夕焼け」本編5番外、「むすんでひらいて」1。
　コレの次は、ストックありませんが……使い切ってナンボのストックですからー。さぁて、まったり連載いきます！

――　夕焼けと机と教室と。～むすんでひらいて1～　――

　どん、と。

　廊下で走ってきた人にぶつかった小学三年の仁道小槙〔にどう　こまき〕は尻餅をついて、「あいたぁ」と腰を撫でた。
　標準よりも小さな体に、おかっぱ頭。
　手に持っていたノートや教科書は死守したが、目にかけていた眼鏡はずれてしまった。ぼやけてしまった視界に人影が近づく。
「うわっ、ごめん！　大丈夫やった？」
　引き返してきたらしい男の子の声はそう言って、小槙のずれてしまった眼鏡に手をのばして定位置に戻してくれた。
「へ、平気です」
（わたしがトロいだけやのに……）
　と、真っ赤になる。
「ホンマに？　ウソやない？」
「ホンマに。ウソやない」
　ピントが合ってしっかりと目に映った男の子の顔は整っていて、思わずジッと眺めてしまった。
　明るい黒髪に陽に健康的に焼けた肌、あどけない表情の中に切れ長の瞳が大人びて見える。
　名札には「三‐三　あまぎてるあき」と書かれていて、隣のクラスの男の子だと分かった。
「よかった」
　こぼれた落ちた笑顔が眩しくて、小槙は俯いて「ありがとう」と差し出された手に手を重ねる。
　助け起こされる感覚は、まるで自分がお姫さまか何かになったような気分だった。
（男の子って、もっとガサツやと思ってた……こんな子もおるんやなあ）
　優しくて、王子さまみたいな男の子。

「あっくん！　なにやっとんねん。休み時間なくなってまうやん」

「わーかってる！」
　こういうトコロは「男の子」って感じに声を荒げて、拳を振り上げ彼は友だちに返事を返した。
「じゃあ、ホンマにごめんな」
　そう、もう一度小槙に謝ってから校庭へと走っていく背中は、小さいけれど足が長くて とても 速かった。


　両親が離婚して、彼が「天城輝晃」から「馳輝晃」に変わったのは四年生の頃。
　小槙が輝晃と同じクラスになったのは、五年生になってからだった――。

　　>>>続きます。