夕焼けと机と教室と。同窓会の証言者(仮)。

　ブログ小説を楽しみにされている方が、結構たくさんいらっしゃると判明してホクホク。
　反面、私の日々のことなど、書いても注目度は低いらしいと切ない気持ちになったり(笑)。
　みなさんの要望にこたえようと、今日は昨日の続きではなく……「同窓会」の話など書いてみました。草稿なので、まったく違う話になるかもしれませんが、とりあえず。
　流れはこんな感じかと思います。
　回想シーンがなさそうな、構成です。
　しかし、これまでの番外を踏襲した感じの昔話がたくさん出てきてます。

　「夕焼け」目次の番外の並び方は、恋人時代の二人の時間枠に合わせています。つまり、「サクラさくら」が付き合いはじめの最初の頃……で、「淡い恋、苦い味」が一番最近の話になります。
　そんなワケで、この同窓会の話はさらに最近の話です。
　本編パート２は、「輝晃くんの憂鬱」と「淡い恋、苦い味」の間の話のつもりで書いています。
　どうやって決めてるかって？
　それは、ラブラブ度数で(笑)。

　では、以下「夕焼け」番外草稿「同窓会の証言者」です。
　ははははは、小槙さんのニブニブさが前面に！

――　夕焼けと机と教室と。～同窓会の証言者(仮)～　――

　大阪の梅田、飲み屋を貸しきって催された中学校の同窓会で、仁道小槙〔にどう　こまき〕は（どうしよう……）と立ち尽くした。
　一学年を集めた結構大規模な同窓会にも、驚いたが。
　集まったメンバーに、囲まれて困惑した。
　親友である佐藤カナコ〔さとう　かなこ〕の話では、小槙が来るってことで、馳輝晃〔はせ　てるあき〕とコンタクトをとり、ふたつ返事で快諾してもらったとのこと。
（そりゃあ、わたしが輝くんにその話してたから……野田さんにスケジュール調整してもらったあとやったんやわ）
　八縞ヒカルのマネージャーである野田を思い浮かべて、申し訳ない気持ちになる。
　馳輝晃、芸名・八縞ヒカルは若手俳優として現在舞台だけでなく、テレビでも活躍中の人気俳優だった。
　そして、小槙の小・中・高と同じ学校の幼馴染であり、完璧にできあがった「恋人」でもある。
　しかし、その事実はもちろん一般的には「秘密」。

　輝晃よりも先に、会場に入った小槙は久方ぶりに会ったクラスメートに取り囲まれ、質問攻めだった。
　まずは、高校の時のこと。
　そして、東京に行ってから何かなかったとか……いや、あったにはあったけれど、それは輝晃にも言われていたので黙っていた。
　そうこうしているうちに、中学校時代の思い出話になって……小槙の知らない事実が次々に判明した。
　輝晃が小槙を好きだったことは、周知の事実だったらしく――。
「一年の頃、アイツ、屋上からおまえのこと眺めててんでー。いやー、えらい熱い視線でおまえのこと見てるからすぐ分かったわ」
　コレは、輝晃と一年の頃同じクラスだった田村雄也の証言。
「うちはなー、告白したら仁道が好きやってハッキリ断られたわ。ショックやってんでー、黙ってて悪かったなー」
　と、コレは親友・カナコの証言。電話で聞いていたけれど、まさか名指しで断っていたとは――じゃあ、あの頃輝晃に告白していた女の子はみんな、知っていたのだろうか？
「まあ、しゃーないって。あの頃、馳が仁道さんを好きやったんはバレバレやったし……仁道さんが、こんなに鈍かったやなんてなあ？　笑える」
　３年の頃のクラスメートである氷室圭太郎にカラカラと笑われた時には、小槙はさてあとから来る輝晃と普通に目が合わせられるか、自信がなかった。
（わ、わたしって、一体……笑われとるし）

　そして、最後の衝撃新事実。

「３年の文化祭の『ロミオとジュリエット』！」
「馳と仁道のキスは、有名やで！！」
「伝説の「熱いちゅー」やもんねっ」

（　はっ？！　）

　ちゅーって、ちゅーって……小槙はクラクラしながら、風邪をひいたときのことを思い出した。
（　輝くーん、わたしの中学時代に何しとんねん　）
　もう、 絶対 まともには 彼と 顔が合わせられないと思って、真っ赤になった。


　　>>>こんな感じに書こうかと思ってます。