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裏表一体、日々のこと。
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 ご無沙汰しています。
 最近、こんな挨拶が板についてきたような気がします(←ダメじゃん!)。
 久方ぶりにメールチェックをしたら、新着メールがまたたまっていました。早急に対応できるようにしたい……と思いながら、今しばらくお待ちくださいm(__)m
 できれば、今夜のうちに更新してしまいたい心持ちで一杯だったのですが、慌てて更新してもいいことないよ? と思いなおしました。……単にURLとか変更するだけなんだけど。
 なんか変なメッセージが出るので、怖い(ブルブル)。
 もうちょっと調べてから、更新します。他のページは大丈夫そうなんだけど……^^;

 って、コトで今日は「夕焼け」シリーズから。
 指輪ネタ、のつもりで考えていたモノですが……あんまり指輪の話は出てこない気もします。
 メールにてお言葉をくださった方ありがとうございます。
 少しでも楽しんでいただければ……そして、「背徳」にお言葉を下さった方もありがとうございました。
 黒い二人の話は、またボチボチと考えますね^^。




―― 夕焼けと机と教室と。~たとえばこんな日常とか・彼女の場合2~ ――

 左手の薬指に、ようやく馴染んできた頃でした。

 世の中が、行楽だ、やれ帰省だと騒ぐ連休初日に、実家である「仁道家」に戻った馳小槙〔はせ こまき〕を待っていたのは よくある ひとつの問いかけだった。結婚してそろそろ一年。ともなれば、彼らの関心事は娘夫婦の関係だろう。
 仲睦まじいのは、たぶん公然になっている。けれど、それだけでは納得しない。
 それが、親というものだ。
「予定はあらへんの?」
 と、ウキウキとした声で母親が問うので、小槙は困った。
「う、うん。それは……まだ」
 そう、と明らかにトーンダウンした彼女はそれでも希望は捨てていない。
「でも、あーんなにラブラブなんやもの。近いうち、あるわよね! そーいう話がっ」
「……うーん。どうやろか……?」
「なんやの? 煮えきらへん娘〔こ〕やねえ? あんなイケメンな旦那さまを捕まえといて、まだ不満があるの? まあ、ちょっとアンタには刺激の強い相手かもしれんけど……なあ?」
 やけにワケ知り顔で母親に覗きこまれ、小槙は居心地悪そうに居住まいをただす。
 小槙の夫である馳輝晃〔はせ てるあき〕は今をトキめく人気俳優、八縞ヒカル〔やしま ひかる〕である。結婚しても女性からの人気は高く、今も仕事で長期の撮影に入っているのだが。
 気を紛らわせようとお茶に手を伸ばした。
「彼のお母さん、柊子さんから聞いたわ。まだ結婚してない頃の話やけど、一度現場に居合わせたて……」
 ふふふ、と楽しそうに言った母親の不意をついた発言に、小槙は思わずお茶を吹きそうになった。母親の横でだんまりを決めていた父親も同じく。こういうところ、自分は父親似だと真っ赤になりながら、思う。
「まああ! なんやの、二人して」
 なんやの、やないわ! と父親も思ったのかは知らないが、同時に恨めしく顔を上げたのは同じだった。
「お母さんが変な話するからやん」
「変な話てなんやの? 嘘やて言い張る気? ええ度胸やね」
「……そうや、ないけど」
 シッカと見据えられて、嘘のつけない生真面目な娘は俯いた。まさか、こんなところで数年前の恥を晒すことになろうとは――。
「せやろ? お母さん、柊子さんとは仲良くしてるんやから」
 ホホホ、と胸を張る。
「せやけど、ソレとコレとは関係ないもん」
 呆れた、とばかりに彼女は娘を見た。
「関係、大アリやない? 子どものつくり方を知らんとは言わせんで」
「お母さん!」
 真っ赤になって抗議をする娘、それを軽くあしらう母の攻防はしばらく続きそうだった。そんな二人を眺めながら、言葉少ない寡黙な父親が密かに「娘の夫」にひとこと文句を言おうと決めていたことは……当然の話。

  >>>おわり。

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やったー!
夕焼けだわ、夕焼け!
ありがとうございます!
匿名希望 2009/09/21(Mon)09:35:14 編集
いらっしゃいませ
「夕焼け」に喜んでいただけて、嬉しいです。
その割にはお返事が遅くなって申し訳ありません。機会があれば、次回は彼視点で書こうかと思っています。
思い出した時にでも覗いてやってください(^^ゞ
コメント、ありがとうございました。
【2009/10/08 19:17】
この二人に会えるなんて
嬉しいです。でもまだチビ小槇には会えないんですね。これから二人のお話を読み返してきま~す。
mimana 2009/09/30(Wed)14:36:16 編集
まだまだです。
読み返していただける作品がある、というのは本当に心強いことです。
書いている本人は、読み返すとアラばかりが見えて自殺行為に等しい時があるのですが……楽しんでいただけているのでしょうか(ドキドキ)?
チビ小槙には、まだまだ遠く険しい道のりがありそうです。
いや、単に彼の気持ち次第なのですが。
次の「夕焼け」は書くとしたら彼視点になる予定です。よろしければ、覗いてやってください。
お返事が遅くなって申し訳ありません。コメント、ありがとうございました!
【2009/10/08 19:18】
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