背徳の姫君。番外-遊園地へ行こう2

　「背徳」番外、ホワイトデー・ネタの第二回です。
　サブタイトルの「遊園地へ行こう」は、バレンタイン・ネタからの引き継ぎ要素なのです。一応。
　引き継ぎ要素で、使えてないネタも少しあるのが……気になるトコロなのですが、いつかタイミングが合った時にでも消化できたらなあと思っています。
　昨日の夜に、「隠れ家」の「陽だまり」ページを少しだけ更新しました。
　まだ、このバレンタイン・ネタとホワイトデー・ネタに深く関わる話はアップしてない（クリスマスのその後ネタだけ、アップしました）のですが、近々アップする予定です。
　明日あたり、目標。そして、明日は、本宅の日誌連載にも手を伸ばしたいです。

　ブログ内新アンケート（携帯では参加できない模様です。ご了承ください）の件。
　ご協力、ありがとうございます。
　「話書きなさいよー」に投票がもっと、集中するかと思ってましたが……結構、分散傾向にあってホッとしています。
　も、もしかして、みなさまに気を遣われている？　気もしないでもないですが（←あいやー、どうも、すみませんm(__)m）。
　持ちキャラによる「座談会」やカップルに「質問」も、需要があるんですね。なんとなく、こういうのは書き手の自己満足度の方が高いと勝手に思ってましたが……そうか、アリなのか。よしよし。
　コメントでの要望はないようなので、どんな座談会がいいのかと悩んでいたりします。内容はそういう系の題材を提供しているサイトさまから借りてくればいいんですけどね。誰と誰の……とか、要望があったら是非、囁いていってください。
　大変、助かります(^^。
　この企画が発動した頃に、「隠れ家」へのリンクも繋げる予定です。←企画ページに「隠れ家」への隠しリンクをしているから、自動的にそうなるだけですが！
　アンケートの〆切りは、一ヶ月程度かと考えています。
　カウンターの「60万HIT」も近づいているので、その頃、発動できたらなあと^^;
　予定は未定のお話です。

　以下、「背徳の姫君」番外、「遊園地へ行こう」2。
　いきなり時間と空間が飛んで、視点は彼女、場所は……遊園地、時間はホワイトデーのあとの週末、かな？

――　背徳の姫君　～番外-遊園地へ行こう2～　――

「　志穂　」
　呼ばれた方向を見ると、ちょっと呆れたような優しい面立ちの彼が「こっちだよ」と、つい物珍しくて立ち止まってしまう彼女に手を差し伸べる。
　指と指が絡んで、ギュッと握られると頬がカッと熱くなった。
（なんか、わたしって場違いなんじゃないかな？）
　と、まるで異国のおとぎ話のような周囲の建物や、そこかしこで闊歩している現代では見たこともないような衣装に身を包んだ人、有名な動物キャラクターが子どもたちに愛想をふりまく。
　ここは、「夢の国」と名高いテーマパークの中だ。
　キョロキョロと見慣れない光景に、戸惑うばかりの志穂だった。
　小さい頃に、一度家族旅行で来たことはある。しかし、親しい友人の少なかった彼女は友達とさえ、こんな場所〔遊園地〕に家族ではない人と遊びに来たのは初めてだった。
　先を行く、広之が王子さまのように見えれば……志穂自身は小間使いか、よくて魔法をかけられる前のシンデレラといったところだろう。
　周囲の恋人たちは楽しそうなのに、自分のせいで広之には迷惑ばかりかけている。
　志穂は、絶叫系の乗り物が苦手だ。それに、回転するものもあまり得意ではないし、怖がりだからおばけ屋敷といった類もできれば遠慮したいと思っている。
　長い付き合いの彼だから、彼女の臆病な性格は把握済み。無難な周遊系のアトラクションを選んではくれているものの、そうなると志穂としては広之が満足できないのではないか……と心配になって、結果、ひどく落ちこんだ。
　午後になって、少しお腹が減りはじめた頃に入ったバーガーショップで、志穂はシュンとなった。
「鬱陶しいな」
　と、彼が言って、パクリとハンバーガーにかぶりつく。
「だって」
　志穂は、唇を噛んだ。自分の この ウジウジとした性格が、彼を苛立たせる最たる理由なのは知っている。
　それでも。
（――考えてしまうのだから、どうしようもない）
「まあ、予想の範疇だからいいけど」
「予想、って……」
　志穂が落ちこむところまで計算して、広之はここに誘ったのだろうか？
　だとすれば―ーあまりに残酷な仕打ちだ。
（そんなのって……ないよ）
　絶句して、志穂は俯いた。
「志穂はさ、もうちょっと 度胸 をつけた方がいいよ」
　思いのほか、優しい声が言って志穂の頬を指の背がなぞる。そこに浮かんだ涙をすくって、ペロリと舐めた。

　　>>>続きます。