背徳の姫君。山辺志穂-遠くとおく2

　何をいきなり、と思われるでしょう。
　いや、本人が一番「なんだかなあ？」と思っています。
　明日こそ、表の「アキキロ」で日誌更新します。ええ！　ここで宣言しておきます。

　で。
　結構以前にメモ程度に書いていた「背徳の姫君・番外」の二人が大学生になったら話の第二話目でございます。
　昔の志穂さんのトラウマが少しだけ……しかし、核心は少しも触れていないあたりにテキトーさがうかがえます（←自分で言って、傷を浅くしてみる）。
　大学生になったら話を書いていけば、おのずとそのあたりも明るみになるのでは？　と思いつつ、やっぱりテキトーに回避しているカモしれません。うーん、志穂さんの秘密主義ー（笑）。
　大学生になったら話の最後の話は、すでに頭にあるのでいつか形にしたいと思っているのですが……何しろ、私のむっちゃ好きな展開なので(^^ゞ……そこにいくにはひと山もふた山も越さねばなりません。
　まずは、一合目あたり？
　なかなか自分の読みたい場面まではいきませんねー。

　以下、「背徳の姫君・番外」の山辺志穂視点「遠くとおく」2。
　次で彼女視点は終わり、続きは彼視点で引き継ぎます。

――　背徳の姫君。～山辺志穂-遠くとおく2～　――

　怯える志穂に、彼は「なんだよ、忘れたのかよ？」と彼女の許しも請わずに向かいの席を引いて勝手に座った。
「ご、ごめんなさ……」
　上手く言葉にできなくて、結局謝ってしまう。
「なぁんだ、全然変わってないんだな？　おまえ」
　ギュッ、と目を瞑〔つぶ〕って俯いていた志穂は、彼の顔を見ていない。けれど、昔よく コレ でからかわれた時のことを思い出して、怖くなった。
　志穂が何も言えなくなると、彼らの態度はエスカレートして最初はそんなつもりがなくても、軽い暴力や言葉で彼女を追いつめた。

「　弱虫のまんま　」

　古傷が疼いた。
「オレだってさ、これでも、ガキのまんまじゃないぜ？　いくらなんでも、あの頃みたいな……調子に乗って悪ふざけするほどの馬鹿じゃねーし。反省だってしてる」
「う、うん」
　わかってる、と言いたいのに言葉にはできなかった。
「悪かったよなー、って……つーか、半分はおまえのその態度が悪いんだって、いま、気づいた。すっげーそそる。イジメ倒したい」
「　！？　」
　志穂が明らかに動揺したのを見て取って、苦笑する。
「あ。ひいた？　まー、色っぽい話じゃねーから、一応。おまえ、そんなんじゃ彼氏できないぜ、オレ、関係ねーけど」
「………」
　どう反応したらいいのか、分からなくてなんとなく黙っていたら―― 声 がした。


　彼女の。

　よく知る 彼 の、少し、尖った声だった。

　　>>>続きます。