背徳の姫君。カーテンを隔てれば。1

　「背徳の姫君」番外視点、の続き。
　山辺志穂さん視点ですが、サブタイトルが何故か違います（笑）。
　深く、追求しないように。
　なんとなく、です。
　アンケートの投票でぼちぼち支持をいただいているようなので、嬉しい限りの脳内劇場作品です。
　いやあ、女の子の中では唯一票を稼いでいる子なので、花束でも持たせてあげたいのですが……一番、華を背負えない子なので、どんなものかと（←ひどい）。
　等身大の女の子、として可愛がって応援いただけると嬉しいです。
　んー。もしかして、票をいただいているのは、一番とんでもないトコロで終わっているせいかもしれないなあ（笑←笑い事か？）！

　最近のＣＭで、消臭スプレーの「イヌくちゃーい」というのが、個人的にヒットしていたりしますが……現在、わたくしめは「ネギくちゃーい」部屋におります。
　ヘロヘロのネギ、どうしてココに（回答、母が畑から持ち帰って放置）。
　ええ、いいっすよ。ここ週末はずっと、「たこ焼き」してますし。
　薬味は必要ですよね！
　ヘロヘロのネギだけど！！
　ああ、でも、マジな話ネギくちゃいのはどうかと。
　誰か、消臭スプレーぷりーず。

　以下、「背徳の姫君」番外視点、「カーテンを隔てれば」1。
　あの、場面からの続きです。
　そうそう、昨日「陽だまり」更新してます。「背徳」本編の続きは「拍手」にてご覧いただけます（注、制限箇所は大幅カットしてます）。

――　背徳の姫君～カーテンを隔てれば1～　――

　コレが、 彼 の手ならいい――。


　カーテンを開けて見つけた顔に、まだ夢を見ているんだと山辺志穂〔やまべ　しほ〕は思った。
（彼のハズがないのに……）
　なのに、その鳴海広之〔なるみ　ひろゆき〕の姿をした男はそっと志穂の唇に唇を重ねてきて、目を見開いた彼女の視界いっぱいに実像として映っているわけで……夢でも、幻でも妄想の続きでも ナイ と認めるしかない。
（え？　でも……ちょっと、待って！　コレって……ううん。だって、わたし……先刻〔さっき〕まで――）
「キャーッ！」
　思考の許容量を容易に超えた情報に、パニックを起こして思わず手を彼の頬に炸裂させてしまった志穂は、顔に血がのぼるのを感じた。
　頬を引っぱたかれた広之の方は、驚いているのか、怒っているのか分からない表情で彼女を見る。

（ウソ、嘘、うそーっ！　ずっと、鳴海くんだったの？！　わたし、軽い女の子だって彼に思われてた？）

「山辺」
「うっ……ひっく、……ッ」
「泣くなよ」
　カーテンに包〔くる〕まって、首を振る。
「だ、だって……ち、がうの……わたし――」
　何が違うのか、と志穂は自分で自分を貶〔おとし〕める。彼ならいいとは思っていたけれど、裏を返せば、誰とも知れない男に体を許していたことになる。
　それでも、構わないと……頭の中だけで恋をするなら誰の手でも同じ、だから。
　都合のいい夢。
　このまま、妄想と現実の区別がつかなくなると思った。
　流される。最後まで許しちゃう。
　ダメ。
　だから、カーテンを開けて現実を知ろうと思ったのに――こんなのってない。

　　>>>続きます。