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裏表一体、日々のこと。
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 「背徳」番外、ハロウィンネタの第二回は彼女視点です。
 って、コトで――いつもと順番が逆な感じになりました。まあ、特にこうという順番ではないので、こういうこともあるですよ。うんうん。
 展開は、いつものごとく(純真なわりには、やること際どい代表選手)です。
 じつは、コレはもう少し場面は続くのですが、際どいというかモロそれしかしてない(←あっ!)のでココでは編集しました。
 ハロウィンネタなので、三十一日までに「陽だまり」ページにアップできたらなあ、と希望的に考えています。
 「隠れ家」でもいいんだけどさ。
 そうすると、何もしてない感じでイヤなのね(←実際、当たらずも遠からずなだけに)

 さて。
 「夕焼け」目次にて、最終の「ヒーリング・ラブ」をアップしました。
 ブログでは、編集しておりました制限場面も入ってますので……ご注意ください。
 「夕焼け」の場所を知ってる時点で、この注意書きは不要とも思われますけど(^^ゞ。
 ええっと、「あとがき」は時間がとれなかったのでつけなかったです。
 つーか、あとがきに何を書くか……と考えた時に「このあと、何回したんだ?」しか思いつかなかったヨ!←ダメダメな人が、ココにっ。
 ……次の日に、小槙さんがまともに歩けなかったのは「確か」だと思います。やだわあ(とか、言いながらそこが「夕焼け」だと思ってます)。

 以下、「背徳」番外、ハロウィンネタな「ちょうだい」2。
 やや制限アリ。R15~R17あたりです。
 苦手な方は回れ右! でお願いします。





―― 背徳の姫君。~「ちょうだい」2~ ――

 胸の開いた黒の膝丈のワンピースに白いブラウスと黒のリボン。
 レースのついた白いエプロンを腰のところでチョウチョ結びにして、頭にはエプロンと同じレースのカチューシャ。
 今年の文化祭で着ていたメイド服は、華美な飾りなんてないシンプルなデザインだった。
 けれど。
 彼女のその格好を、彼は「可愛い」と言ってくれた。
 昔から隣の家のシッカリ者である幼馴染は、志穂に対して手厳しい。もともと引っ込み思案で不器用な彼女だから、何でも要領よくテキパキとこなしてしまう彼にとっては、イライラする対象なのだろうと思う。
 嬉しかった。
 憧れだった彼と、付き合うことになって一年。
 不釣合いだと、いまだに落ちこむことがあるけれど……それでも、釣りあう「彼女」になれるように頑張りたいと思うから。

「な、鳴海くん」

 家族のいない彼の家のリビングで、山辺志穂は恥ずかしさにへこたれそうになりながら……メイド服で鳴海広之の前に立った。
 窓から外を眺めていたらしい彼は、志穂の格好を確認するとくすりと笑う。
「本物のメイドみたいだ」
 それから、似合うと言葉にしてくれて、それだけで報われた気がした。
 彼が……喜んでくれるなら それ だけでいい。
「そ、そうかな?」
「うん。志穂はもともとメイドみたいなところがあるしね」
 それは、どういう意味なのか……わからなかった。
 手招きされれば、駆け寄って彼に顎をとらわれる。

「俺のこと、ご主人さまって呼べる?」

 間近にある広之の毅然とした表情に見惚れて、脳内に響いた言葉を咀嚼すると少しも抵抗を感じなかった。
「ご主人さま」
 きっと、彼は 本当に 志穂の ご主人さま なのだ。
 唇を重ねられ、顎をとらえた彼の指がクイッと力を加えた。促され開いた口に、とろりとした熱が流れこんで歯の淵をなぞっていく。
 溶け合う感覚。
 うっとりとなって、舌を絡めようとすると離れた。
 自分のものとも彼のものとも知れない唾液が 一筋 垂れて、彼がそれを丁寧に吸い上げて嚥下するのをぼんやりと眺める。
「よくできました。俺の言うとおり、志穂が 上手 にできたら……ご褒美をあげるよ」
 胸のあたりが熱くて、言葉を理解していなかった。
 ただ、――
「ご、ほうび?」
 幸せだった。
 こんな気持ちが、たくさん生まれるのなら、もっと。
「そう、欲しい?」
 欲しい。
 コクリ、と頷くとほんの少し彼が表情を強張らせたから、どうしたのだろうと志穂は首を傾けた。



 窓の縁に腰を乗せた広之が、志穂の腰を引き寄せて「やらしいな」と彼女の項に吐息を吹きかける。
「そんなに、欲しいんだ?」
「え?」
「ご褒美」
 不意に駆け巡る思考は、つい先ほどの彼の言葉を反芻して……正確に理解する。
 かぁっ、と頭に血が上る。
 広之は時々、まるで騙まし討ちのように際どいことを口にする。
 ぼぅっ、としている志穂は、それに気づくまでに時間がかかる。だから、意図しない失言も多い。
「……ちがっ!」
「違う? じゃあ、欲しくない? やめようか?」
 志穂の腰にあるエプロンのリボンを指でもてあそぶ広之は、ぽそりとそんなことを笑いを含んだ声で囁く。
 ぐっ、と志穂は言葉を詰まらせる。
「や……」
「や? なに?」
 どうしようと、視線を彷徨〔さまよ〕わせる。けれど、答えは一つしかない。

「 志穂 」

 彼に強く促されれば、志穂に逃れる術はないのだ。
「や、めないで」
「どうして? 違うんだろ?」
 ブンブンとかぶりを振って、「やだ」と洩らして志穂は泣きそうになった。
 いつの間に、自分はこんなにもやらしく、淫乱な体になってしまったのか。
「ちが、うの……欲しいの。―― ちょうだい 」

(……きっと、目の前の男性〔ひと〕のせいだ)

 志穂が窓の向こうを眺めれば、欠けはじめた月が揺れて目に映った。


 ギュッと抱きつく彼女の答えに、微笑んで広之は「いいよ」と優しく首筋に吸いついた。

  >>>おわり。

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