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裏表一体、日々のこと。
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 「背徳」番外、ハロウィンネタの「その後」です。
 もし、同じ話を何度も読み返される方がいらっしゃったら……「うらキロ」内の作品は、ちまちましたトコロで加筆してたりするので(あれ?)と思われていると思います。
 しかし、まあ。
 加筆とか繰り返す作品は大体、決まっているので(しかも、一定時期だけのことなので)バレることはあまりないと思いますが(^^ゞ。
 今回の「背徳」番外もその最たる作品のひとつに数えられます。
 あまりに何度も変更をかけたので、思い余ってトップページで掲示したくらいです……特に「ピー」な場面ばかり加筆したのでお恥ずかしい限りです。
 なんていうか、本人、納得いってないんで(←おいおい)。
 どこがどう、というハッキリしたものがないので、余計にイロイロ手を加えてしまうワケですが……加筆だけでは、飽き足らず「その後」まで手を出しました。
 ここまで書いて、ようやく私の納得がいった形になった模様です。
 何が足りなかったのか、というと……簡単に言葉にすると、オチかしら?

 ……何度か書き直しました。
 最初は、「ピー」な場面が多かったのですが突き詰めていくうちに求めている形とは違う、ことに気づきまして大幅にカットしました。
 ぶっちゃけ、自分の表現力ではこの二人の「ピー」な場面は荷が勝ちすぎます。
 いや、詳細に書くと嫌気が差すくらいこの二人は濃厚なんです。たぶん。
 私の文才では、そのクドイまでの「ピー(←いい加減、コレもしつこい!)」な場面を、読み手の方に気持ちよく(←え?)読んでいただけるだけの力量がないのだろう、と気づいた次第です。はい。
 もっと、多彩な表現力をもってすれば……納得いく場面にもなるのでしょうが……加筆、修正が増えたのは、無意識にそういう自分の中の理想と場面がなかなか一致しなかった結果だと思います。
 お見苦しいかとは思いますが、生温かく見守っていただけたら嬉しいです。
 「背徳」番外のハロウィンネタに関しては、おそらく、もうそれほどの変更・加筆はないと思います。

 以下、「背徳の姫君」番外、ハロウィンネタのその後「覚えてない?」。
 際どい言葉はありますが、年齢制限のかかる場面はありません。「陽だまり」内、「背徳」番外のハロウィンネタを読了後にご覧ください。
 いいオチがついたようで(笑)。




―― 背徳の姫君。~「覚えてない?」~ ――

 シャッ、とカーテンが引かれる音が響いた。

 一度達して朦朧とした意識の中、山辺志穂〔やまべ しほ〕は自分の中を貫いていた鳴海広之〔なるみ ひろゆき〕のものが抜かれたことにも気づかずに……運ばれて、リビングの真ん中にあったソファへとどさりと下ろされる。
「……あ?」
 まだ、先程の余韻が体に残っていてどこもかしこもおかしかった。


     *** ***


 次に意識を取り戻した時、志穂はソファに横たわり毛布をかぶっていた。メイドの衣服はきちんと整えられていて、すべてが夢だったのだろうかと思うほどに乱れがない。
「鳴海、くん」
 先ほどと同じように、窓から空を仰いでいる広之の姿がさらに彼女のそんな 錯覚 に追い討ちをかける。
 闇の中で、何度となく繋がって、獣のように貪欲に求めた気だるさは 確かに 体に残っているのに……今の彼女を取り巻く状況は、まるで 何もなかった とばかりに否定する。
「……あ、あの」
 ソファに転がったまま、なかなか体が思うように動かないことに恥ずかしさを覚えて志穂は頬を赤くする。
 広之はそんな彼女をふり返り、「ああ、起きたんだ?」と安堵したように微笑む。
(ど、どうしよう……本当に、わたしの妄想だったんじゃ……あ、あんなのこの 鳴海くん がするワケない)
 思い出せば、茹ってしまうようなことを たくさん された。
 いくら彼の両親が今夜は帰らない……とは言っても、リビングでいたすには少々問題がありそうだ。回数も尋常ではなかったし――。
(き、きっと、途中から夢だったんだ……恥ずかしい)
 志穂はそう結論付けて、自分の置かれた状況に逃げ出したい気分になる。
 きっと、一回目が終わった時点で気を失ってしまったのだろう……そう、思うと彼を置いて暢気に寝ていた事実に気づいて、とても広之をまともに見ることはできなかった。
「どうしたの? まだ、つらい?」
 気遣ってか、彼が優しく声をかければかけるだけ志穂は消え入りたくなる。
「う、ううん! 平気っ……鳴海くん、いま何時?」
「10時すぎ、遅くなりすぎたかな?」
「だ、大丈夫だよ。隣だし、すぐ帰れば――」
 と。
 ソファから立ち上がろうとした志穂は、滑り落ちるように床にへたり込んだ。

( え? )

 足に力が入らないどころか、腰がくだけていてまともに立つことすらままならない。
 目をパチクリと瞬いた志穂に、広之が歩み寄って「無理するなよ」と笑う。
「……な、なんで?」
 自らの異変が理解できない彼女は泣きそうな顔で、彼を見上げた。
「鳴海くん、わたしの体、変だよ……立てない」
「まあ、あれだけやればね。ちょっと無理させたし、今日は志穂も頑張ってたし」
「え……え? わ、たし……なんかした?」
 そこで、広之はようやく志穂の様子がおかしいことに気づいて、怪訝に屈みこむと彼女の額に手の甲を当てて首を傾げた。
「熱はない、か……ってことは、ボケてるな」
「え? あの……」
「どこまで 覚えて るんだ? ハッキリ言えよ」
 明らかに苛立った彼の声に、志穂はビクリと怯えて俯いた。
「あ、あの……そ、ソファでしたのって夢じゃ?」
「そこかよ……しかも、夢オチっておまえ」
 呆れた様子で広之は前髪をかきあげ、小さくなる志穂を睨んだ。
「ご、ごめんなさい。あの、じゃあ……やっぱり、あれは現実?」
「当たり前」
「がーん」
 がーん、じゃないよと広之は、本気でショックを受けている志穂に思わず笑ってしまう。ここまで突き抜けると、一種可笑しいだろう?
「ついでに言うと、ソファだけじゃないから。あのあと、風呂場でも楽しんだの……覚えてない?」
 どうりで、志穂にしては頑張ってると思ったんだと納得しつつ、みるみる真っ赤に染まっていく彼女へと意地悪に微笑みかける。

「 覚えてないなら、もう 一戦 くらい付き合うけど? 」

「! い、いいっ。思い出したからっ!!」
 力の入らない下半身のせいで飛び退ることはなかったが、志穂はらしからぬ素早さで拒否を示すと、かすかに漂うシャボンの匂いに今更ながらに気づく。
 それは、お風呂に入ったという 確かな 証拠。
 鮮明には思い出せないけれど……広之と湯船につかったような、そんな記憶もある。そのあと 例のごとく 思い出すには とても 恥ずかしい場面に突入したようだ……ということも、なんとなく。



「 ……どうしよう 」

 頼りない記憶と、思いどおりに動かない下半身に途方に暮れて、志穂は 今日 家に帰ることができるのか ひどく 不安になった。

  >>>おわり。

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