大臣卿の苦悩。そのメモ0

　「帝国恋愛秘話」、王宮編の番外短編シリーズ「大臣卿の苦悩」のネタになりそうな話を思いついたので書いてみます。
　メモ程度ですが。
　時間軸は「しなやかに強く2」の次の朝、くらいを考えています。
　思いついたキッカケは、「指輪物語」というくくりでピアノとか夕焼けシリーズで何か書けないかな～？　とぼんやり考えていた時に「帝国秘話」のこの二人も書けそうだなあ、と閃いたのです。
　ツェムなので、ささやかなモノですが……俺様皇帝にはよい薬となるでしょうか（逆に楽しんでしまいそうな気配ですが(^^ゞ）。

　昨日、「うらキロ」を久方ぶりに更新しました。
　ネタとしては新しいモノではありませんが、去年の「60万HIT企画」作品の一部です。
　できたら、「龍」の分もアップしたいのですが、間に合うか！？
　「夕焼け」の分は「隠れ家」の方にてアップ済みです。しかし、中途半端にアップしているので～き、気にしないで～！！

　以下、「帝国恋愛秘話」王宮編「指輪物語」0。
　凶悪……とか思ったのは私だけ？

――　大臣卿の苦悩　～指輪物語。0～　――

　目覚めて、腕を伸ばす。
　イフリア帝国、皇帝のレイドイーグ・エトル・ゼス・イフリアはその朝、最初から何かがおかしいと気づいていた。
　昨夜、いつものように愛すだけ愛した 存在 が腕の中にいない。
　それだけで、十分だ。
「……ツェム？」
　呼べば、気遣うような少し頼りなげな声がいつだって答えた。
『おはようございます、レイド』
　目を開けると、優しい色の青の瞳が彼を覗き込む。朝日を遮る華奢な影が今はなかった。

「……やはり、怒ってたか」

　昨日の出来事を思い返して、嘆息する。
　控えめな彼の第二妃と言えど、おいそれと あれ を許しはしない。とは言え、昨夜はレイドイーグの持ち前の強引さで流され、彼を拒むことはしなかった。
　ツゥエミール・ラ・ストリミアは従順だが、時々ひどく可愛い抵抗をしてみせる。
　彼女が怒るのも無理はないだろう。
　と、レイドイーグは考え――ひどく可笑しくなって、笑った。


　天蓋付きの寝台、その横に備え付けられたチェストに置かれた結婚指輪。
　朝日に輝く それ が王の嗜虐心を大いに喜ばせたのだった。

　　>>>このあと、「大臣卿の苦悩」っぽくなる予定。