大臣卿の苦悩。そのメモ1

　「帝国恋愛秘話」、大臣卿の苦悩・指輪メモの続きです。
　次にいつ書けるのか……私にもよく分からないのですが、早めに書けたら書きたいです。
　と、言うか更新しろよ。
　とも思うのですが。
　一応、「龍」の「どうでもいい話」11は準備してあるんですけど……内容、「60万HIT企画」の再録モノですが。

　コチラの「大臣卿の苦悩」の続きは……「帝国秘話」の目次ページで正式な更新として載せたい所存です。
　ツェムさん、行方不明？　ですけど、ダイジョブなんですかね？
　しばらく時間もあるので、じっくり練りたいと思います。

　以下、「帝国秘話」の「大臣卿の苦悩」指輪物語1。
　大臣卿たちはいつも、なんだかんだで命がけです（笑）。

――　大臣卿の苦悩　～指輪物語。1～　――

　レイドイーグの手にある小さなものに、定例の朝の会議に集まった大臣卿たちは訝しんだ。けれど、簡単に口にすることもできず……本日の連絡事項、承認がほどなく終わり解散の合図がかかる。

「……皇帝陛下」

　みながその大臣卿の勇気に賞賛した。もちろん、心の中で。
「なんだ？」
　おずおずと口を開いた内務卿の人のよさそうな顔にレイドイーグが冷ややかな澄んだ青の瞳を向ける。
　その王の表情はどうやら不機嫌を宿したものではなく、その反対のもののようだった。
（助かった……）
　と、内務卿は人知れず慈悲深い神に感謝した。
「それは、何ですか？」
　ホッとした表情の彼に眉をひそめ、レイドイーグは手にあるそれに目を向け、唇の端を上げた。
「指輪だな」
「………」
　いや、それは見れば分かる――とは、誰も口にしなかった。だって、命は大切にしないといけない。
「はぁ」
　大臣卿から出るのは、ため息ばかりだ。
「結婚指輪だ」
　ニヤリ、と笑った上機嫌の王の態度に誰もが察しをつけた。あまり己の感情を簡単には表さない皇帝が素直に 笑う のは、彼女が相手だからだろう。
　しかし、なぜ？　指輪？

「ツェムが、コレを置いていなくなった」

　上機嫌な表情のまま、レイドイーグは言って大臣卿たちを可笑しそうに眺めてみせた。

　　>>>続きます。