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裏表一体、日々のこと。
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 「クリスマスLover」のその後です。
 唯子視点の、続き……でようやく二人きりのクリスマスらしいシチュエーションに(笑)!
 ごく普通の恋人同士のつもりの二人ですが、周囲はそうはとらえていない感じを目指して書いております、一応。
 何せ、視点が天然少女の彼女なのでかなり曖昧な表現(プラス彼女の無自覚)が入っているため分かりにくいのが難点です。
 これが、私の限界だったのです。申し訳ない。

 次回からの連載(といっても短編二本だけですが)は、この「陽だまり」カップルに近しい人物の小話です。
 時間的には、このクリスマスの直後の年越しを想定しています。
 テーマは、願掛けとトラウマです。なんだ、その心理戦みたいなテーマは……と思いますが、根底がかなりシリアスな設定なので重いかな~というのを軽くオブラートに包んでみました。
 軽く読めるように、頑張ってます。
 よろしければ、お付き合いくださいね。

 近況、今日は映画を二本観てきました。『相棒Ⅱ』と『ハリーポッターと死の秘宝1』です。
 ネタバレになる話はしない方向で、『相棒Ⅱ』はまあテレビの延長でやっぱり切ない話でした。ハッピーエンドって現実問題こんな感じなんでしょうけど……みんな幸せにはならないんですよ、ええ。
 『ハリー』は前編みたいなヤツなので続きます。うーん、個人的には主人公三人の中でロンとハーマイオニーが好きなので、ハリーが傷つく分には何も(←コラ!)。ロンはやっぱり情けなかったけど、そこが彼のいいトコロですから! 嫉妬! ははは、分かりやすくていいね(鬼畜?)!!
 なんとなく、指輪物語の指輪っぽい効果なのね。ドンマイ!

 以下、「クリスマスLover」のその後の春日唯子視点。
 似たものカップル、ってコトですかね。
 彼視点も考えようかと思いましたが、今のところここまでで満足しちゃいました。
 続きがあるとしたら、次の連載二本関連になるかもね?




―― クリスマスLover ~その後~ ――

 合コン組と別れて、春日唯子は三崎純也とキラキラと光るイルミネーションのゲートを歩いた。
 まだ夜でもないのに煌びやかな光景に目を輝かせ……唯子は縋るように彼の袖を取る。
「もっと、会いたい……ってお願いしたら迷惑ですか?」
「え?」
 周囲の喧騒に彼女の声はかき消される。けれど、その見ればわかる表情に彼は微笑んだ。
 純也もほかの美大生とそれほど状況は変わらない。父親の借りているマンションからは大学が少し遠いこともあり今は一人暮らしだし、生活費のためにバイトもしている。長期の休みも課題があるから大学に泊まりこみなんて当たり前で、なかなか高校生の唯子とは時間が合わない。
 頭を撫でられ、唯子は少し不満を覚える。
「わたし、子どもじゃないですよ?」
「知ってる」
 どこか含みのある言葉に、頬が熱くなる。
 そういう意味じゃないって、いや、そういう意味かな?
「……じゅ、純也さん」
 まだ、「先輩」を付けずに名前を呼ぶのは慣れていないけれど二人きりの時には呼ぶように練習している。
 ベッドの中ではまだ、「先輩」の頻度の方が多いけれど。
「どうして大学に遊びに行ったらダメなんですか?」
 彼が動けないなら、自由に動ける自分が動く。唯子には少しの躊躇いもない。
 なのに、彼の反応はイマイチだ。
「ダメ、だよ。僕も唯子には会いたい、できるだけ時間はつくるから我慢して」
 そう優しく諭されると、しゅんとなる。
 正美には力いっぱい否定したけれど、やっぱりワガママなのかもしれない。
「ごめん、なさい」
「どうして唯子が謝るの? むしろ、謝らなきゃいけないのは僕じゃない?」
 純也の穏やかな声に、唯子は頭〔かぶり〕を振った。
「ちがう、わたしのワガママだから」
 先輩を独り占めしたいだけなの、と俯いて涙を堪えた。

「え?」

「だって、先輩モテるんだもん。無駄に目立つし、ずっと一緒にいないと心配で不安なの。大学でだって、街の中だって女の人に見られてるし!」
 ホラ、今だってそうだ! と唯子は気が気ではなかった。
 もちろん、純也が高校の頃から目立っていたのは知っているけれど、近くにいるのと遠くにいるのとでは大違いだ。
 ポカン、となった彼は唯子をマジマジと見ると「僕が?」とまるで他人事のようだった。
「先輩、自覚してください!」
 このふわりとした穏やかな陽だまりの空気が彼の持ち味で、一番の魅力だと知りながら唯子は願わずにいられない。
( もっと、ほかの人(特に女性!)には冷たくしてくれたらいいのに )
 と。
「それを言うなら、唯子も自覚して欲しいな」
 純也は言って、「え?」と首を傾げる彼女の耳に囁く。
「僕が唯子を独占したいって思ってること。僕は君を誰にも見せたくないし触らせたくない……できるなら閉じこめてしまいたいんだ」
 君は目立ちすぎるから、と自嘲するように唯子を見るから思わず抱きついてしまった。
「唯子?」
「先輩になら、閉じこめられてもいいもん」
「後悔しても、知らないよ」
 ゆっくりと純也が唯子の肩を抱き寄せる。
「後悔なんて、しないもん」
 って。言いたいのに、言えなかった言葉。
 彼に唇を塞がれて、身じろぐ。周りは人が行き交う道中だ、きっと見られているだろう。
(わっ、わたしが目立ってしまうのは……先輩のせいだと思うの!)
 と、唯子は恥ずかしさに体が熱くなる。

 でも。


 この温もりの中にいられるのであれば、永遠に閉じこめられてもいいと 真剣に 思った。

  >>>おわり。

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無題
最後は甘々なシチュをありがとうございます(笑)なんてったってクリスマスですもんね!!
mimana 2011/01/09(Sun)10:11:44 編集
ありがとうございます。
そうクリスマスですからね(笑)。その割には、さっくり? と思わなくもないですが、シチュエーションは甘々なつもりです。伝わってよかったです!
【2011/01/12 23:27】
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