夕焼けと机と教室と。2-8。

　「夕焼け」本編２、第九話です。

　あと、一回でこの「本編２」も終わりです。
　そのあとは、一応前に書いていた「同窓会」の輝晃視点を載せようかと思っています。こっちも、R指定があるんですが……ブログでは載せないと思われます(^^ゞ。
　ん、もー！
　さてさて、横のアンケートですが、そろそろ締め切ろうかと思っています。理由は「もう、新しい意見は入らないだろう」と勝手に判断しました。今週末くらいに外しますので、まだ言い足らないという方がいらっしゃいましたら、是非一言コメントしてやってください。
　現在の段階で、R指定希望者さまが多く、「ピアノ」か「夕焼け」かというコメントをいただいているので――「夕焼け」のR指定で何か書こうと思っています。
　「ピアノ」は、また別の機会に回すということで(^^ゞ。
　あるいは、普通にアップとかしてるかもしれません(笑)。

　絵もできたら、付けたいと思いますがコチラは「ピアノ」か「夕焼け」かまだ、決めてません。
　塗ってみて、出来のいい方を……と考えています。

　それでは、以下「夕焼け」2-8。
　拍手コメント返しは明日、しようと思います。たくさんの拍手、ありがとうございます(>▽<)っ♪

――　夕焼けと机と教室と。2-8　――

　カッカッカッ、と頬が熱くなった。
　舞台がはじまるアナウンスが流れて、照明が絞られる。
　小槙は思い出した道具室での情事を忘れようと首をふったが、余計に血が上った。
（あ、あかん。輝くんが、あのあと二回もするから……だから、思い出したらあかんねん！）
　いやや、と思うのに、頭はすっかりリプレイを開始していて疼〔うず〕く。
　どこが、ってそれは、言わぬが花とばかりに舞台の中心でストイックな演技をふりまく 八縞ヒカル を睨みつけた。

　忘れられない、この想いは――。


　　　　　***　***


「関係者の方ですか？」
　と、訊かれて、小槙は小さく首をふった。
　何とか、花束だけでも直接渡せないかと思ったが、彼にはファンが多いらしく……警備も厳重だった。
「いえ。あの……花束を八縞ヒカルさんに渡していただけますか？」
「ええ、それは――」
　警備の屈強そうな男性は、ほかのヒカルのファンとは毛色の違う小槙の態度に、不思議そうな顔をする。
　確かに、小槙は俳優の追っかけをするようなタイプではない。
　だからか、再度確認した。
「八縞ヒカル、でいいんですか？」
　小槙がコクン、と頷くと「分かりました」と受け取ってくれる。
「すみません、お手間かけます」
　ぺこり、と頭を下げる小槙に警備員もつられて頭を下げた。

「　仁道弁護士！　」

　名前を呼ばれて、小槙はふり返り目を見開いた。
「野田さん」
　ヒカルのマネージャーである野田が手をふって、小槙を手招きした。
「よかった、ヒカルの言う通りでしたね」
「え？」
　と、首をかしげる小槙へ、くすりと笑った。
「あなたのことだから、きっと警備員に止められたら関係者と言わずに花だけ置いていくんじゃないかって」
「……はあ」
　小槙は恥ずかしくて、真っ赤になった。
（何も、そんなこと当てんでもええのに）
「直接、渡してやってください。ヒカルが待ってますから」
　そう言って、野田は小槙の用意した花を警備員から取り戻しに行った。

　　>>>つづきます。