裏表一体、日々のこと。
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またしても、思いついて書いてみました。
「夕焼けと机と教室と。」の、番外です。番外書くほど本編があるワケではないですが……バレンタインにタイムリーなネタだと思うので!
根底にあるのは、「小槙さんのハジメテは、輝晃くん」だけど、「輝晃くんの最初は、小槙さんじゃないのよね~」という話です。
個人的に、こういう話はあんまり読むのは好きじゃないけど(←おい)、最後は甘々なのでいいかと(苦笑)。
輝晃くんが浮気性ってワケじゃないのよ?
三夜連続、掲載。第一夜です。
「夕焼けと机と教室と。」の、番外です。番外書くほど本編があるワケではないですが……バレンタインにタイムリーなネタだと思うので!
根底にあるのは、「小槙さんのハジメテは、輝晃くん」だけど、「輝晃くんの最初は、小槙さんじゃないのよね~」という話です。
個人的に、こういう話はあんまり読むのは好きじゃないけど(←おい)、最後は甘々なのでいいかと(苦笑)。
輝晃くんが浮気性ってワケじゃないのよ?
三夜連続、掲載。第一夜です。
―― 夕焼けと机と教室と。~彼女の存在1~ ――
それは、高校一年の三学期。
演劇部の先輩だった、下凪部長が四角い何かが入ってそうな可愛い包装紙に包まれたモノを窓の縁〔へり〕に差し出してにっこりと笑ったのが「はじまり」だった。
ちょうど、その演劇部の部室の窓から下を覗くと、生徒会室が見える。
何かの話し合いをしているのか、時々長い黒髪の眼鏡をかけた少女が立ち上がって、黒板に何かを書き記した。
おさげ髪がよく似合う彼女……仁道小槙〔にどう こまき〕を馳輝晃〔はせ てるあき〕の目は追ったまま、「律儀ですね」とそれを義理チョコと判断した。
すると、女部長・下凪亜矢子〔しもなぎ あやこ〕は無理矢理に輝晃の顎をとって、自分の方へと向けさせた。
「馳くんって、仁道小槙さんが好きやのね?」
輝晃は少し、目を瞠って笑う。
毛頭、隠しているつもりはなかった。しかし――どうして、こうも関係のない人間にバレるのか。
「分かりますか?」
「そりゃあね! あなたばかりを見てたら、すぐに気づくわ」
「俺ばかり? 先輩、暇なんですか?」
まったく理解できなくて眉を寄せると、目の前で「あっきれた!」と亜矢子は言って整えられた綺麗な柳眉を吊り上げる。
美人は怒っても、美人だ。
演劇部のヒロイン役をこなす彼女は、舞台栄えのする強い意思を持った眼差しを輝晃に向けると言った。
「あなたって、とんでもなく鈍いわ。馳くん……その点では、あの娘といい勝負やけど。いい? コレは本命チョコ。わたしはあなたが好きなの」
「……先輩。俺は――」
「ストーップ! 知ってるわ。馳くんには好きな子がいる……有名な話やわ。でも、彼女、最近生徒会長と噂になってるやないの」
「そんなことまで、調べたんですか?」
「まあね。好きな人のことやし……見込みのない相手より、ほかの人間に目を向けるのもいいと思うんよ?」
輝晃は表情を凍らせて、眼下の生徒会室を眺める。
背の高い坂上生徒会長に頭を撫でられる、幸せそうな小槙に胸が痛んだ。
「なんやったら、わたしを彼女の代わりにすればいいわ。仁道小槙を 完璧に 演じてあげるから」
それは、高校一年の三学期。
演劇部の先輩だった、下凪部長が四角い何かが入ってそうな可愛い包装紙に包まれたモノを窓の縁〔へり〕に差し出してにっこりと笑ったのが「はじまり」だった。
ちょうど、その演劇部の部室の窓から下を覗くと、生徒会室が見える。
何かの話し合いをしているのか、時々長い黒髪の眼鏡をかけた少女が立ち上がって、黒板に何かを書き記した。
おさげ髪がよく似合う彼女……仁道小槙〔にどう こまき〕を馳輝晃〔はせ てるあき〕の目は追ったまま、「律儀ですね」とそれを義理チョコと判断した。
すると、女部長・下凪亜矢子〔しもなぎ あやこ〕は無理矢理に輝晃の顎をとって、自分の方へと向けさせた。
「馳くんって、仁道小槙さんが好きやのね?」
輝晃は少し、目を瞠って笑う。
毛頭、隠しているつもりはなかった。しかし――どうして、こうも関係のない人間にバレるのか。
「分かりますか?」
「そりゃあね! あなたばかりを見てたら、すぐに気づくわ」
「俺ばかり? 先輩、暇なんですか?」
まったく理解できなくて眉を寄せると、目の前で「あっきれた!」と亜矢子は言って整えられた綺麗な柳眉を吊り上げる。
美人は怒っても、美人だ。
演劇部のヒロイン役をこなす彼女は、舞台栄えのする強い意思を持った眼差しを輝晃に向けると言った。
「あなたって、とんでもなく鈍いわ。馳くん……その点では、あの娘といい勝負やけど。いい? コレは本命チョコ。わたしはあなたが好きなの」
「……先輩。俺は――」
「ストーップ! 知ってるわ。馳くんには好きな子がいる……有名な話やわ。でも、彼女、最近生徒会長と噂になってるやないの」
「そんなことまで、調べたんですか?」
「まあね。好きな人のことやし……見込みのない相手より、ほかの人間に目を向けるのもいいと思うんよ?」
輝晃は表情を凍らせて、眼下の生徒会室を眺める。
背の高い坂上生徒会長に頭を撫でられる、幸せそうな小槙に胸が痛んだ。
「なんやったら、わたしを彼女の代わりにすればいいわ。仁道小槙を 完璧に 演じてあげるから」
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たぶん、そのうち無色。
趣味:
主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
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恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
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