裏表一体、日々のこと。
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輝晃くんの憂鬱。
というタイトルがつきそうな話です。
しかし、暗黒時代とも言える彼のこのあとの行動は……受験に捧げられた模様。
小槙さんと同じ高校に行くため、日々勉強。
もともと、頭は悪くないんでしょうねえ。羨ましい!
小槙さんの血液型は、A型っぽいです。
輝晃くんは……B型かなあ? 省みずな性格が、なんとなくそんなイメージです。ゴメンナサイ!←けっして、B型に偏見があるワケでは(>▲<)っ。
あ。今日「ピアノ」の解説にあるMIDIを変更しました。
曲はおんなじですが、『ラインムジーク』さまが「威風堂々」を作ってらしたので!
早速、いただいて参りました。
おんなじ楽譜でも、演奏の仕方でいろんな仕上がり……そこが、面白くって奥深いところだなあと思います。
「ピアノ」の二人の演奏、いつも想像しながら書いてます(^^。
なので、みなさんにも想像しながら読んでいただけたらなあと思っています。
最終話、アップは今週末を予定しています。
以下、「夕焼けと机と教室と。」の「ご指名ですよ、小槙さん」輝晃視点です。
まだまだ、続く。
―― 夕焼けと机と教室と。~ご指名ですよ、小槙さん2-2~ ――
文化祭が終わった、いつかの放課後。
詰め寄ってきた女の子の顔は、ほとんど覚えていない。ただ、小槙が好きなのかと問われて……どうしてそんなことを答えなければならないのかと思った。
当の本人である、彼女が訊くのならどんなに良かっただろう。
しかし、現実に感づいたのは……小槙とは関係のない彼女たちだった。
そして、輝晃が「好きだ」と素直に答えたなら、彼女たちの敵意の矛先は小槙にいくだろうと容易に想像できた。
(そんなことになったら、彼女に迷惑がかかるやないか……)
輝晃からすれば、周りからどう思われようと小槙さえ「好き」でいてくれれば構わなかった。
が。
小槙は輝晃とは違う。
生真面目で、とても優しいのだ。「彼氏」よりも「友人」を選ぶ、そういうタイプだと思う。
良くも悪くも、それが小槙らしいところだったから……輝晃は傷つけたくなかった。
「好きや、ない。冗談……そうや、仁道の反応が可愛いからつい、からかってしまうんや」
だから、表面上は否定した。
(そういや、文化祭の前……仁道は変やった。何か、言われたんだろうか? ――この娘〔こ〕たちに)
気の強い派手な集団の彼女たちに、おっとりとした真面目な小槙が対抗できるワケもない。
助けなければ。
あわよくば、それで小槙に接近しようとさえ思って輝晃は次の日、呼び止めた。
「なに? 馳くん」
その時の彼女に、戸惑った。
(……仁道?)
もともと、ガードの固い彼女のこと。
なかなか打ち解けることはなかったが、それでも輝晃をまっすぐに見た。遠慮がちにではあったが……そこが、可愛いと思っていた。
なのに、今は見ない。
「ん。あの、さ……風邪、もう平気なんかな、と思って」
「平気やよ。いやや、心配せんといてよ! わたし、丈夫なんよ?」
俯き加減でぎこちなく笑って、困ったなあという顔をする。
「 心配せんといてね 」
「ああ。うん、わかった」
まるで、牽制球を受けた気がした。
輝晃を避けるように目線を外す……その仕草さえ、愛しさを覚えるのに口にすることはできなかった。
「じゃ」
二つ分けのおさげを揺らして逃げるように離れていく彼女の背中を眺めて、動けなかった。
迷惑やと言われたら?
いや、困った顔をされただけでどうすればいいのか分からなくなった。
目を外されるだけなら、まだいい。
声をかけること、近づくことさえ許してくれなくなったら……どうしたらいいんや?
輝晃はこの時、皮肉にも小槙が 好きだ と強く自覚した。
もちろん、ずっと「特別」だとは思っていたけれど、「避けられる」ことに 傷つく のは彼女に対してだけだった。
嫌われたくない。
だから、近づくのをやめた。
中学三年の秋の終わり――。
>>>続きます。
文化祭が終わった、いつかの放課後。
詰め寄ってきた女の子の顔は、ほとんど覚えていない。ただ、小槙が好きなのかと問われて……どうしてそんなことを答えなければならないのかと思った。
当の本人である、彼女が訊くのならどんなに良かっただろう。
しかし、現実に感づいたのは……小槙とは関係のない彼女たちだった。
そして、輝晃が「好きだ」と素直に答えたなら、彼女たちの敵意の矛先は小槙にいくだろうと容易に想像できた。
(そんなことになったら、彼女に迷惑がかかるやないか……)
輝晃からすれば、周りからどう思われようと小槙さえ「好き」でいてくれれば構わなかった。
が。
小槙は輝晃とは違う。
生真面目で、とても優しいのだ。「彼氏」よりも「友人」を選ぶ、そういうタイプだと思う。
良くも悪くも、それが小槙らしいところだったから……輝晃は傷つけたくなかった。
「好きや、ない。冗談……そうや、仁道の反応が可愛いからつい、からかってしまうんや」
だから、表面上は否定した。
(そういや、文化祭の前……仁道は変やった。何か、言われたんだろうか? ――この娘〔こ〕たちに)
気の強い派手な集団の彼女たちに、おっとりとした真面目な小槙が対抗できるワケもない。
助けなければ。
あわよくば、それで小槙に接近しようとさえ思って輝晃は次の日、呼び止めた。
「なに? 馳くん」
その時の彼女に、戸惑った。
(……仁道?)
もともと、ガードの固い彼女のこと。
なかなか打ち解けることはなかったが、それでも輝晃をまっすぐに見た。遠慮がちにではあったが……そこが、可愛いと思っていた。
なのに、今は見ない。
「ん。あの、さ……風邪、もう平気なんかな、と思って」
「平気やよ。いやや、心配せんといてよ! わたし、丈夫なんよ?」
俯き加減でぎこちなく笑って、困ったなあという顔をする。
「 心配せんといてね 」
「ああ。うん、わかった」
まるで、牽制球を受けた気がした。
輝晃を避けるように目線を外す……その仕草さえ、愛しさを覚えるのに口にすることはできなかった。
「じゃ」
二つ分けのおさげを揺らして逃げるように離れていく彼女の背中を眺めて、動けなかった。
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いや、困った顔をされただけでどうすればいいのか分からなくなった。
目を外されるだけなら、まだいい。
声をかけること、近づくことさえ許してくれなくなったら……どうしたらいいんや?
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もちろん、ずっと「特別」だとは思っていたけれど、「避けられる」ことに 傷つく のは彼女に対してだけだった。
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