夕焼けと机と教室と。佐藤カナコの砂を吐く話1

　お久しぶりです（笑）な「夕焼け」シリーズの、結婚式編後日談は彼女の親友視点です。
　タイトルのまま、「砂を吐く話」かと思います。たぶん。
　ちなみに、現在書いている「夕焼け」の番外はこの話からの派生小編です。
　タイトルがあまりピンとこなくて、どうしようかなーと悩み中です。テキトーにつけようにも、それさえ浮かばないってどうよ？
　一番最初に浮かんだタイトルが、「二人で夜明けのコーヒーを」だったのですが……まったく、内容と関係が見出せないのでボツになったのが、痛いですよ。うっうっうっ。
　泣いてる場合ではない、考えなくちゃ。

　ブログ内アンケートにて、ここ数日、ご意見が集まってホクホクしております。
　座談会ネタと質問ネタへのご提案、ありがとうございます(>▽<)っ。
　参考にさせていただきます。
　とりあえず、現在のアンケートは今週末あたりで〆切る予定です。
　新しいアンケートでは、今回のアンケートをもとにご要望の多いカップル等を選んでいく感じで実施する予定です。
　ご意見は、できるだけ反映させていきますので、是非残していってくださいね。
　で。
　先ほど「隠れ家」を更新しました。
　「背徳」番外の「冬と夏の狭間」の続きです。今回のメインは、彼視点です。……ちょっと、量的に多かったので二ページに分けてますが、あまり意味はありません。

　以下、「夕焼けと机と教室と」結婚式編、後日談「佐藤カナコの砂を吐く話」1。
　新婚さん、いらっしゃ～い！

――　夕焼けと机と教室と。～佐藤カナコの砂を吐く話1～　――

　それは、中学時代からの親友である 彼女 に電話した時のことである。


　開口一番に、佐藤カナコ〔さとう　かなこ〕は「取り込み中やなかった？」と断って答えを待つ。
『いやや』
　電話口の仁道小槙〔にどう　こまき〕こと、現在の姓は馳〔はせ〕を名乗る新妻は恥じらって、カナコのその言葉を否定する。
『いきなり、なんやの？　へ、変な気ぃまわさんといてよ』
「せやかて……うちかて 邪魔 はしとうないんやもん。結婚して まだ 三ヶ月やろ？　親友としてはさ……やっぱ、新婚の最中に水は差しとうないやん」
『か、カナコちゃんっ』
　真っ赤になっている彼女が目に映るようだと、カラカラと笑う。
「あはは！　ごめんごめん。まあ、大丈夫ならええんよ。ホラ、旦那の 仕事 が 仕事 やからいつ電話かけたらいいかと思っててんけどな……旦那も、元気？」
『う、うん』
　少し、冷静さを取り戻した小槙がおずおずと頷く。
　電話の向こうで猫の鳴き声と人の気配がして、「おや？」とカナコは訝った。
「もしかして、輝晃くんもおるの？」
『え？　うん。今日は午前はオフやから……午後から出るらしいんやけど』
「へぇ……」
　やはり、芸能界という世界で働く人間のサイクルはよくわからないとカナコは思った。
　平日の午前中という時間帯にかけたにもかかわらず――あやうく、冗談や戯言でなく最中にお邪魔するところだった。
（……ん？　いやいや、案外 マジで そうやったりして）
　なにしろ、カナコは一度小槙にそういう意味で騙されていた時期があるだけに侮れない。

　この朝の日差しのある、明るい部屋で彼女は裸に毛布を巻きつけていて。
　彼は、シャワーかなんかから戻ってきたところではないのか？
　足元には、八縞ヒカル〔やしま　ひかる〕が最近飼いはじめたと 週刊誌で 噂のトラ縞の猫がすりついている。

（ありえる。つーか、想像したら リアル やわ）
　一人身には、少々毒だと苦笑い。
『カナコちゃん？　どうしたん？』
「えっ？　べ、べつにやらしい想像なんかしてへんよっ」
『……やらしい想像って、なによ？』
「ハッ！　しまった……」

　　>>>続きます。