裏表一体、日々のこと。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
長雨は夜の間、ずっと降り続いた。
朝になってようやくどんよりとした昏い雲が切れて、うっすらと明るい朝の光が窓から寝台へと射しこんだ。
「……um」
一晩ずっと熱にうかされた彼が身じろぐのを見つけたのは、屋敷の一人娘である緋里だった。
キラキラと輝く眩い髪と、身近な人間とは明らかに違う色素の薄い肌……その瞼が開くのをドキドキと胸を高鳴らせて待った。
(あの、見たことのない色は間近で見たら……どんなにキレイなんだろう!)
「……wha…what?」
ベッドに横になった少年からすれば、緋里のその行動はどんなにか驚いたことだろう。
目を見開くと、固まった。
彼の方へと身を乗り出した少女は、彼のすぐ目の前で「なぁに?」と首を傾げて、その口から発せられた呪文のような異種の響きに 何か が起こるのかとまた少しドキドキと胸が高鳴った。
「………?」
けれど、目の前の少年が固まった以外は何も起こらない。
少しキョロキョロと辺りをうかがって、呪文ではなかったのかと思考を軌道修正して向き直る。
「おはようございます、エル。わたしは かずみやひさと と申します。ひさとよ、ひさと」
ひさと、ひさとと連発すると、ようやく少年も小さな少女が自己紹介をしているのだと理解したらしい。
「ヒ、サト?」
蜂蜜色の眼差しに、澄んだ声で名前を呼ばれて緋里はパァと目を輝かせる。
「そうよ、ひさと。あなたは、エルね」
人差し指で自分を指してから、彼を示した。
「エル?」
少年は首を傾げて、よじよじと寝台に乗ってきた少女に聞きたいことがたくさんあるのだと気づいた。
けれど。
「ねぇ? きかせて! 天狗や鬼はどこに住んでいるの? さっきのは呪文? それとも秘密の言葉? わたしにも使えるようになるかしら?」
「………」
矢継ぎ早に 日本語 で質問を投げかける彼女に、彼が話しかけるのはとても難しいことだった。
>>>続きます。
結局、リック・ハウンエル君の名前は本分にはまだ出てこないまま、次回に続く(笑)。
次は、ちゃんと彼が話せるようにお嬢さんだけでなく、語学の堪能な人に登場いただこうと思います。例えば、有能な執事とかメイドとか。
子どもなら言葉が違っても仲良くなれそう……じゃない? と手探りで書いてます。彼の方は分かりませんが、彼女はそのあたり頑張っているので大丈夫だよね? 早く、仲良くなってくれるといいなあ(希望)!
でないと、話が進みません!!
朝になってようやくどんよりとした昏い雲が切れて、うっすらと明るい朝の光が窓から寝台へと射しこんだ。
「……um」
一晩ずっと熱にうかされた彼が身じろぐのを見つけたのは、屋敷の一人娘である緋里だった。
キラキラと輝く眩い髪と、身近な人間とは明らかに違う色素の薄い肌……その瞼が開くのをドキドキと胸を高鳴らせて待った。
(あの、見たことのない色は間近で見たら……どんなにキレイなんだろう!)
「……wha…what?」
ベッドに横になった少年からすれば、緋里のその行動はどんなにか驚いたことだろう。
目を見開くと、固まった。
彼の方へと身を乗り出した少女は、彼のすぐ目の前で「なぁに?」と首を傾げて、その口から発せられた呪文のような異種の響きに 何か が起こるのかとまた少しドキドキと胸が高鳴った。
「………?」
けれど、目の前の少年が固まった以外は何も起こらない。
少しキョロキョロと辺りをうかがって、呪文ではなかったのかと思考を軌道修正して向き直る。
「おはようございます、エル。わたしは かずみやひさと と申します。ひさとよ、ひさと」
ひさと、ひさとと連発すると、ようやく少年も小さな少女が自己紹介をしているのだと理解したらしい。
「ヒ、サト?」
蜂蜜色の眼差しに、澄んだ声で名前を呼ばれて緋里はパァと目を輝かせる。
「そうよ、ひさと。あなたは、エルね」
人差し指で自分を指してから、彼を示した。
「エル?」
少年は首を傾げて、よじよじと寝台に乗ってきた少女に聞きたいことがたくさんあるのだと気づいた。
けれど。
「ねぇ? きかせて! 天狗や鬼はどこに住んでいるの? さっきのは呪文? それとも秘密の言葉? わたしにも使えるようになるかしら?」
「………」
矢継ぎ早に 日本語 で質問を投げかける彼女に、彼が話しかけるのはとても難しいことだった。
>>>続きます。
結局、リック・ハウンエル君の名前は本分にはまだ出てこないまま、次回に続く(笑)。
次は、ちゃんと彼が話せるようにお嬢さんだけでなく、語学の堪能な人に登場いただこうと思います。例えば、有能な執事とかメイドとか。
子どもなら言葉が違っても仲良くなれそう……じゃない? と手探りで書いてます。彼の方は分かりませんが、彼女はそのあたり頑張っているので大丈夫だよね? 早く、仲良くなってくれるといいなあ(希望)!
でないと、話が進みません!!
PR
この記事にコメントする
こちらこそ~
ブログでちまちま連載している話(しかも亀の歩みのような)にお付き合いいただいてありがとうございます。
先は見えませんが、たぶん、そんなに長い話にはならない予定です。
書いてる本人が手探りなので、終わり方が今後の本編の話の流れに影響するかもしれまぜんが、そのあたりは彼らに任せるつもりで書いています。
今後の展開が本編にもよい刺激となるように頑張って仕上げようと思います。
コメント、ありがとうございます!
先は見えませんが、たぶん、そんなに長い話にはならない予定です。
書いてる本人が手探りなので、終わり方が今後の本編の話の流れに影響するかもしれまぜんが、そのあたりは彼らに任せるつもりで書いています。
今後の展開が本編にもよい刺激となるように頑張って仕上げようと思います。
コメント、ありがとうございます!
新・アンケート開催中
カレンダー
どれにしますか?
こんなん生息中。
HN:
なお
HP:
性別:
女性
住所:
大阪府
職業:
たぶん、そのうち無色。
趣味:
主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
自己紹介:
恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
新しい日々
2016
/
09
/
11
(
Sun
)
22
:
39
:
09
)
2016
/
09
/
04
(
Sun
)
22
:
45
:
15
)
2016
/
09
/
03
(
Sat
)
19
:
51
:
06
)
2016
/
01
/
01
(
Fri
)
00
:
19
:
24
)
2015
/
12
/
30
(
Wed
)
21
:
26
:
50
)
こめんと
無題
(
君を、きっと、好きになる。2.6-桜
)
from:
mimana
2013
/
05
/
21
(
Tue
)
21
:
48
:
28
無題
(
恋敵がやってきた!2
)
from:
mimana
2012
/
02
/
22
(
Wed
)
00
:
16
:
32
無題
(
鳴海広之の場合。天使の領分3(終)
)
from:
mimana
2012
/
01
/
20
(
Fri
)
13
:
02
:
04
無題
(
鳴海広之の場合。天使の領分2
)
from:
mimana
2012
/
01
/
15
(
Sun
)
22
:
53
:
05
無題
(
鳴海広之の場合。天使の領分1
)
from:
mimana
2012
/
01
/
12
(
Thu
)
23
:
03
:
07
ブログ内検索