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裏表一体、日々のこと。
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 「いち にの さん」五歩目です。

 ブロードバンドデビューしたついでに(?)、投稿サイト(って言うの?)「小説家になろう」さまに登録してみました。
 とりあえず、「いち にの さん」の連載など始めています。
 内容は、ブログのほうが最新ですが……読みやすさは、「小説家になろう」さまのほうが上かな? と思います。
 R15を制限としているので、イチ編はあちらでは載せない方向で進めています。
 「小説家になろう」さまには、過去の本宅で日記連載していた「クルージング・パラダイス」あたりも載せたいなあ! と目論んでいます。
 「クルパラ」まだ完結できてないから、ちょっと冒険なんだけど。
 「クルパラ」を書いていた頃、私は毎日連載してたんですよ~嘘みたい! な本当の話!!

 以下、「いち にの さん」step.5。
 ちょっと量は多いんだけど、二分割するほどでも~と思い分けるのはやめました。
 「小説家になろう」さまのサイトは、ブログのプラグインにあるリンクスペースにてリンク張ってます。
 直接作品へ飛びたい場合はコチラ→ http://ncode.syosetu.com/n0206o/




―― いち にの さん~step.5~ ――

 いい加減うんざりして携帯で時間を確認すれば、ようやく9時になろうかという頃合。
 食べるものはまんぷくお腹の中におさめたし、飲むものも酔わない程度に適当に飲んだ。忘れ物もない。
 よしよし。
「じゃあ、わたしはここで」
 そそくさと席を立ち、引き止められないうちに出ようとしたら腕を掴まれた。
 なに? この手?
 さらに別の腕が肩を抱いてくる。
 んん? 誰よ、邪魔よ!
 文句を言おうと顔を上げれば、声をかけてきた男の一人が有無を言わせぬ様子で笑っている。
「ちょっと! わたし、これから約束があるの。離してよ」
「そうはいかないんだよ。結構有名な話、二宮さんの彼氏持ちはただの口上なんじゃないかって噂だし誰も見たことないって本社の人から聞いたんだよね」
 そうと知って、逃がすつもりはない……とのケダモノじみた男の視線にわたしは身を固くする。
 周囲には他にも社内の人間がいるけれど、見て見ぬフリなのか誰も助けてくれる気はないらしい。
 確かに本社時代も彼氏持ちだと吹聴してかわしていてはいたけれど、ここまでその噂が流れていようとは予想外だった。
 一体、どんな情報網よ……あんたたち。
「なにそれ……わたしに 彼氏 がいないとでも?」
 悪いけど、そんな風に見られたことは一度もない。むしろ、二股三股は当たり前とか思われるタイプなんだよ、不本意ながら!
「会わせてくれたら信じるよ」
 なんて、あんたたちに会わせる義理はないんですけど!
 ないんですけどねっ。
「いいよ。ちょうど、来たみたいだし」
 わたしの立っている場所から、入り口の扉が開くのが見えた。
「イチ!」
 手を挙げて、振る。
 彼もすぐに気付いたようで、店内を見渡すことなくやってきた。
「じゃあ、さようなら」
 呻く彼らの腕を振り解き、わたしはイチの腕に腕を絡めてにこりと笑う。
 イチの機転に感謝だ。
 危なかった……。
「ありがと、イチ」
 小さく礼を言うと、イチは「まあ、こんなことだろうとは予想してたから」とふわりと微笑む。
 ああ、やっぱりイチっていいなあ!
 うっとり。
 彼は後ろをうかがいながら思案して、わたしに悪戯っ子のような眼差しを向けた。
「……もう一つ、ダメ押ししとく?」

( え? )

 その人差し指がシッと唇に触れて、そのまま顎に滑り持ち上げられたかと思うと柔らかいものが触れた。
「んっ……ッ」
 わたしはその優しい感触をよく知っている。
 最近その味にハマっていて、舌を絡ませるのがすごく気持ちよかった。
 公衆の面前で……エッチみたいなキス。
 恥ずかしいけれど欲しいという欲望は止められなくて、イチの首に腕をまわして夢中になる――ああん、いいよぉ。

「立てる?」
「立てない……」

 わたしの情けない答えに、イチは笑って手を貸してくれた。



 目が覚めると見覚えのない天井。白け始めた外の光がカーテン越しの窓から部屋の中をぼんやりと照らし出している。
 ……ああ、また記憶が飛んでる。ここはどこ?
 けばけばしい装飾はないしベッドはごくシンプルな造り、ホテルでもラブホテルでもないみたい?
 もちろん、自分の部屋でもない。
 昨日の夜、合コンのあったお店から出てイチに誘われるままにタクシーに乗って、イチャイチャしていつの間にかこのベッドで抱き合っていたような?
「……まあ、いいか。目の保養」
 スヤスヤ眠る彼の無邪気な寝顔が目の前にある。高校の時よりも男っぽくなった顔つきも、眠っているとかなり幼くなってあの頃の面影がある。
 寄り添えば、当然のように二人とも裸で素肌同士が触れ合う。
(抱きついてもいいかな? いいよね)
 そっと背中に腕をまわして、その胸に頬をすり寄せる。
 肌のぬくもりと規則正しい鼓動に安心して、わたしはまた深い眠りに落ちた。

  >>>step.6に続きます。

拍手[4回]

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無題
更新ありがとうございます。彼女がいると再会した時に言っていた彼。ここまできながら彼はいつ告白するんでしょ?逃げられないように外堀を埋めてるのかなぁ。「なろう様」には私もお邪魔するのですが、お話を書き始めても完結まで持っていくのは大変みたいですね。
mimana 2010/09/29(Wed)07:51:36 編集
こちらこそ。
読んでいただきありがとうございます。彼が、いつ、動くのかはもうしばらくお待ちください。イチ視点、で見ないと彼の心情は不可解かも……男心も繊細ですから(苦笑)。
「小説家になろう」さま、完結できるよう頑張ります! この話は大方書きあがっているのでダイジョブですが……どんな作品も、完結させるのは産みの苦しみだと思いますね。長編になれば特に難しいと思います。

いつもコメントをありがとうございます。
【2010/10/01 21:10】
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