夕焼けと机と教室と。Rain day memories...(3)

　「夕焼け」雨ネタ、小槙さん視点。第三話です。

　昨日書いていた、「帝国秘話」の話はほぼ書けました。むっちゃ！　SSですが、私の中ではポイント高いです。
　ホラ、カップリングが高慢ちきなお姫さまとその護衛騎士なあたりですでに、クラクラですから(笑)。この二人は、プラトニック・ラブだからいいのよー、といつも思っています。うん、最後の最後までツイてない二人ですが、アップした際にはよろしくお願いします。
　そして、昨日の分には書いてなかったんですが……思い立って、書き始めました。
　「夕焼け」本編3――ズバリ、坂上先輩再登場編です。
　輝晃くんが落ち着かないかと思いつつ、私の心の赴くままに進めております。うーん、でもちょっと長くなりそうな、そうでもないような？　という展開です。
　どうなるのかな？　と二人の落ち着く先を模索しております。

　以下、「夕焼け」Rain day memories...(3)です。
　あと、残り一話……最後は、ラブラブしています。

――　夕焼けと机と教室と。～Rain day memories...3～　――

　その日の放課後。
　帰宅しようとする小槙に、女の子の集団がやってきて声をかけた。
　人気のない教室に連れこまれ、小槙はその面々にビックリする。
（一組の後藤さんに、四組の塚田さん、五組の中村さん……すごい、キレイどころが揃ってる……）
　その事実に目がいって、彼女たちの態度が険悪なことに気付かない。

「仁道さん、いくらテルに好かれてるからっていい気にならんとってほしいねん」
「今日のアレ……まさか、付き合〔お〕うとる？」
「佐々岡さんたちから、昨日坂のところで一緒におったとか聞いてんけど……」

「輝くんから、告白されたん？」
　矢継ぎ早に訊かれて、小槙は目をパチクリと瞬〔またた〕いた。
「え？　馳くん、誰かに告白したん？」
　知らなかったので、思わず問い返す。
　輝晃が誰かに告白された、という噂はよく耳にするが、彼が誰かに告白するなんて初めてだった。
　もしかして、この女の子の中の誰かだろうか？
　そう考えると、みんなキレイなので、それらしく映る。
「そうじゃなくて……」
　と、本気で小槙が驚いていたので、女の子たちは顔を見合わせた。
「――まあ、知らんかったらええわ。気にせんといて」
「そうそう」
「仁道さんは、ずーっと そのまま でいてくれたらええわ」
　蔑むように笑われて、「テルもかわいそー」と去っていく彼女たちに小槙はなぜか胸が締めつけられた。

「変やの……わたし、泣いてる」
　眼鏡を外して、涙の流れた頬を拭う。
　視界のはっきりしない世界で、小槙はどんよりとした空の夕焼けを眺めた。


　　　　　***　***


　坂の途中にある　大きな木
　雨の音を聞くと　思い出す
　君の笑顔
　制服の匂い

　夕陽がにじんで　せつなくなった
　まだ　おぼえている
　君の笑顔
　制服の匂い

　そんな詩を書いていた――。

　　>>>続きます。

　小槙さん、中学時代はポエムなどしたためていたり。
　いや、たぶん現在進行形で書いていそうな勢いです(^^ゞ。